排出業者が産業廃棄物の処理を委託するときに適正な処理を行うために定められた制度です。
マニフェストとは産業廃棄物の種類、数量、運搬業者名、処分業者名を記入したものを、産業廃棄物と一緒に業者から業者へ渡しながら処理の流れを確認するものです。
最終的に排出業者へ返送されることで、産業廃棄物の処理が適正に行われたかの確認ができ、不法投棄などの不正を未然に防ぐことができます。
マニフェストには「紙マニフェスト」と「電子マニフェスト」があり、どちらを使用しても構いません。
紙マニフェスト
7枚複写式の産業廃棄物管理票(マニフェスト)といい、各都道府県の産業廃棄物協会で購入できます。
排出業者が産業廃棄物を収集運搬業者に引き渡す際に必要事項を記入して交付しなければなりません。
収集運搬業者は一部を控えと返送用で残し、産業廃棄物と一緒に処分場へ運んだ際にマニフェストも一緒に渡します。
それぞれの役割を果たした10日以内に排出業者へ返送することで運搬や処分の完了を確認することができます。
マニフェストの交付は排出業者の義務であることから、交付しなかった場合などは罰則を受けることになります。
また、委託業者が違反を行った場合も排出業者は罰則の対象となります。
電子マニフェスト
パソコンと通信回線を利用したマニフェストシステムでパソコン端末から情報を入力し、保管については情報処理センターが行います。
書類の受渡しや、控えを返送する手間はなくなりますが電子マニフェストを利用する場合は、排出業者、収集運搬業者、処分業者全てが加入している必要があります。
排出業者は必要事項を入力して登録すれば、収集運搬業者や処分業者は運搬終了の入力を報告として行います。
情報センターは報告を受けると排出業者と収集運搬業者へ終了の通知を行い終了です。
電子マニフェストのメリット
- 事務処理時間の短縮
入力操作も簡単で画面上で処理状況を簡単に確認することができ事務処理の効率化に繋がります。
電子上での管理ができるので保管スペースの確保も必要ありません。 - 書類不備の防止
必要な入力事項をシステムで管理しているため入力漏れを防ぐ事ができます。
処分の終了報告の有無がメールや一覧表で簡単に確認することができ、マニフェストの紛失の心配がありません。 - 優良認定業者の要件を満たせる
優良産業廃棄物処理業者の認定には電子マニフェストの利用が条件になっています。 - 不正の防止
マニフェストの情報は情報処理センターが管理・保存しているため、データの書換えなどができません。