建設業許可を取得すると、毎年決算終了後に年間の工事高や工事内容を記載した書類を提出することが義務づけられます。
この書類は県で保管されるため、誰でも閲覧することができ、会社がどのような許可を持ち、どのような工事をしているのかが分かるようになっています。
発注者の判断基準の材料となることもあるので、単なる義務として出すというよりも、広告の手段として実績や能力を正確に記載して作成することと捉えれば、煩わしさを感じたり、失念したりして罰則を受けることもなくなります。
提出書類と作成ポイント
工事経歴書
取得している許可業種ごとに作成します。
例えば、(土)(舗)(水)の3業種の許可を持っていればそれぞれ作成し、許可業種以外の管工事や塗装工事等があった場合はその他工事として別にまとめて数字を出します。
許可を持っている業種の中で実績がなかった業種については「実績なし」として作成して問題ありません。許可を持っているから実績を上げなくてはならないということはありせん。
工事経歴書には発注者・元請下請の別・工事名・工事場所・技術者・金額・工期を記載します。
工事は事業年度内に完工した工事になります。9月決算であれば提出時期は翌年の1月までに提出することになりますが、10月以降に完了した工事については来期の工事経歴書に記載します。
※業種ごとの工事経歴書は直前3年の施工金額と一致しなければなりません。
直前3年の各事業年度における工事施工金額
直前3期分の完成工事高をそれぞれ業種ごとに数字を出します。
新設会社等で3期分の実績が無い場合は、1期のみで提出します。
業種ごとに元請(公共・民間)下請の合計と、その他工事の合計を計算します。
※全ての合計金額は財務諸表の完成工事高と一致しなければなりません。
財務諸表
税理士等が作成した決算書を元に財務諸表を作成します。
決算書が税込か税抜かを確認して作成しますが、経審を受審する場合は税込の決算書であっても税抜の財務諸表にする必要があります。
経審を受審しない際はどちらでも構いませんが、税込の財務諸表を作成した場合は、工事経歴書、直前3年の施工金額共に全て税込と表示して税込金額で作成する必要があります。
税込から税抜財務諸表を作成するのが難しい場合は、税理士に税抜で作成してもらえるようお願いしてみるか、行政書士等の専門家に依頼することで提出まで全て任せることができます。
納税証明書
個人の場合は個人事業税、法人の場合は法人事業税を取得します。
未払いの場合は支払後でないと取得できません。