建設業許可申請・事業年度終了変更届・経営事項審査等で必要となる建設業法上の財務諸表を作成するには、法人の確定申告決算書、個人の青色申告決算書、白色申告収支内訳書から、勘定科目の金額の組み替え作業を行います。
法人の場合
法人建設業者の確定申告決算書は、法人税法に基づいて作成されていますが、建設業者の財務諸表は建設業法によってその様式が規定されており、財務諸表の作成に当たっては決算書の金額をそのまま財務諸表に転記することができない勘定科目があります。
例えば、建設業のみをされている業者の場合、「売掛金」は「完成工事未収入金」になります。
「買掛金」は、「工事未払金」です。
「仕掛品(棚卸資産)」は「未成工事支出金」など、通常の簿記で使用する勘定科目とは異なります。
また、工事原価を一般管理費ですべて計上してある場合もあり、税法上は問題ありませんが、工事をしているのに工事原価が無いというのはおかしいですので、この点も注意が必要です。
前述のように、勘定科目が同じ場合であっても、単純に金額を財務諸表に転記するだけではダメな場合がありますので、決算書の勘定科目に計上された金額が、財務諸表ではどの勘定科目に該当するのか、またその内容があっているのかを判断しなければいけません。
その上で、法人用財務諸表の記載要領及び勘定科目の分類(建設省告示第1660号)に従って財務諸表の勘定科目に対応する金額を転記します。(転記する数値は千円未満の端数処理は切り捨て、切り上げ、四捨五入のいずれかで統一します。)
方法としては、工事原価の場合は元帳を確認しながら工事の材料費や労務費などを計算していくなどがあります。但し、これもケースバイケースですので、お困りの際はお気軽にお問い合わせくださいませ。
個人の場合
個人建設業者の確定申告書には、青色申告と白色申告がありますが、これは所得税法に基づいて作成されております。
ただこれも建設業では、法人と同様の様式を使用し勘定科目を確認したうえで金額を転記します。
大まかには法人の振り分け方法と同じですが、個人の申告書は詳細な明細が無い場合もございますので、こちらもお困りの際は、お問い合わせください。