建設キャリアアップシステムとは
- 国交省が推進する、建設業に関わる現場管理をより効率化するために技能者の資格・経歴・社会保険状況・就業履歴等を登録
- 技能者が経験に応じた適正な評価を受ける
- 建設業者の事務負担軽減にも繋がる
2019年より本格運用がされており、2024年には全ての技能者が登録されることを目標に進められています。
既に元請からは登録を求められる事も増えてきており、キャリアアップシステム登録がないと現場入場ができないケースも今後出てくることでしょう。
社保加入の要件が整備されたように許可の要件になることはありませんが、義務化されていくと思われるので早めの導入をお勧めします。
技能者登録のメリット
技能者の処遇改善の為に能力などが分りやすくデータ化されます。
登録される内容は3つに分類されます。
- 経験
→日数、年数 - 知識
→資格 - マネジメント能力
班長・職長経験、登録期間技能者の講習履歴
これらの内容がレベル1(見習い)~4(高度なマネジメント能力を有する者)に分けられ、本人のモチベーションや取引先への営業にも役立てることができます。
技能者にはICチップが内蔵されたカードが発行されるので、現場入場の際に設置されているカードリーダーでピッ!とすれば就業履歴が蓄積され、いつ、どの現場で何をしたのかが実績として蓄積されます。
事業者登録のメリット
現場管理の効率化ができます。
誰がいつ、どの現場に入ったかの管理ができるため、資格者の配置等を把握しやすくなります。
また、作業員名簿や施工体制台帳の作成が自動化され、建退共関連の事務作業も簡略化されます。
経営事項審査での評価
- レベル3、レベル4の技能者の加点
- 技能者のレベルアップによる加点 (レベル2以上のカードを発行するにはレベル判定システムの申込みが必要)
登録にかかる費用
資本金に応じて事業者登録の費用は異なります。
- 一人親方・・・0円
- 500万未満(個人事業主含む)・・・6,000円
- 500万~1,000万・・・12,000円
- 1,000万~2,000万・・・24,000円
- 2,000万~5,000万・・・48,000円
5年更新なので、更新の都度必要な経費となります。
技能者にかかる費用
- 簡略型 一人につき2,500円
- 詳細型 一人につき4,900円
どちらの登録でも構いませんが、レベル判定の申請には詳細型での登録が必要なので詳細型をお勧めします。
10年更新なので更新の都度必要な経費となります。
簡略型の登録内容
1.本人情報
2.所属先事業者情報
3.職種
4.経験等
5.社会保険(健康保険、年金保険、雇用保険)
6.建退共
7.中退共
詳細型の登録内容
簡略型に加えた14項目が登録されます。
8.労災保険加入
9.健康診断
10.学歴
11.登録基幹技能者
12.保有資格等
13研修等受講履歴(研修名)
14.表彰履歴
管理者ID利用料
建設キャリアアップシステムで事業者情報を管理するために管理者IDの登録が必要で毎年利用料として1IDにつき11,400円(一人親方2,400円)がかかります。
その他
現場で技能者がIDを利用するごとに現場利用料として1人につき1日10円かかります。
元請はカードリーダーを設置する必要があり、現場利用料は元請が負担することになります。
下請の場合は元請が負担するため無料です。
従業員数が多いところは最初に費用もかかりますが、初期費用としてはそんなに高い物ではないと思います。
ただ、システムの登録自体が面倒だと思われる声もよく聞きます。
技術者一人の登録で14項目ありますが、その中の「1.本人情報」は更に10項目に細分化されていますのでただでさえ忙しい建設事務であれば後回しにしたくなる気持ちも分ります。
将来的にも登録が必要になるのは確実なので、最初の登録だけでも代行業者に依頼するのもいいかもしれません。