建設業者が合併等を行った場合の経営基盤や技術力強化等への取り組みを目的として、行政庁では支援策が講じられています。
支援策の対象業種や内容、条件等は各県など各自治体で異なりますが、合併等を考慮する際には、大きな材料の一つになり得ますので、合併等を考えている合併の存続会社及び譲り受ける会社(譲受人)または営業を承継する会社は、特にこの支援策を確認することが重要となるでしょう。
具体的な支援策としては、「合併等に係る特例措置」が設けられている県や市区町村が多くあります。
例えば、熊本県の特例措置の大まかな内容は次のようになっています。
合併等
特例での合併等とは、吸収合併または新設合併、事業譲渡及び会社分割による承継のことをいいます。
対象業者
熊本県内に主たる営業所があり、熊本県の入札参加資格を5年以上継続している会社(3社以上の合併等の場合は、2社以上が入札参加資格を5年以上継続していること)で、合併により存続する会社または合併により新設した会社、事業譲渡の譲受人、会社分割により建設業の営業の全部または一部を承継した会社が対象となります。
なお、会社分割により承継させた会社が廃業する場合は、承継した会社は承継させた会社の従業員のうち1人以上の技術者を承継し、かつ建設業に係る負債の承継または清算を行わなければいけません。
総合点数等の加算
格付のある業者においては、合併等の当事者となる2社(3社以上の合併等の場合は上位の等級に格付されている2社)が、合併等の日の前日において、同一業種で同一等級または直近の等級に格付されており、かつ入札参加資格を4年以上継続している場合で、当事者となる会社のいずれかがその等級もしくはそれ以上の等級を4年以上継続しているときは、該当する業種の総合点数に、以下に定める率に相当する点数(小数点以下は切り捨て)を加算し、格付の見直しがなされます。
なお、格付の見直しにおける等級の昇級は、最上位等級の1等級上位までとなっています。
(1)合併等により一方の会社が消滅または建設業を廃業する場合に、存続会社がその技術者の半数以上を承継する場合
ア 合併等の日から3年を経過する日が属する年度まで・・各年度15%
イ アに定める期間の後、合併等の日から5年を経過する日が属する年度まで・・各年度10%
(2)前号の技術者を承継しない場合
ア 合併等の日から3年を経過する日が属する年度まで・・各年度10%
イ アに定める期間の後、合併等の日から5年を経過する日が属する年度まで・・各年度5%
格付のない業種においては、当事者の会社が合併等の日の前日まで入札参加資格を4年以上継続しているときは、経営事項審査の総合評点値に前記の加算を行い、順位付けの見直しがなされます。
この他、指名の特例措置等もありますので、合併等をお考えの場合は、各自治体または専門家にご相談されることをお勧めします。