建設産業においては、下請企業を中心に、社会保険未加入企業の問題が存在しております。
このため、きちんと保険加入している企業が競争上不利になるという状況も生じており、かねてから問題とされておりました。
そこで、公平で健全な競争環境の構築を図るため、規則の一部を改正する省令及び告示が平成24年の5月に公布されました。
概要は以下のとおりです。
1.建設業の許可申請書の添付書類への保険加入状況の追加
建設業の許可申請の際に、健康保険等の保険加入の状況を記載した書面の提出が必要となります。
※健康保険等の加入状況とは、健康保険の被保険者の資格の取得の届出、厚生年金保険の被保険者の資格の取得の届出及び雇用保険の被保険者となったことの届出の状況をいいます。
新規申請の場合、社会保険加入申請中では許可申請できません。
適用事業所で未加入だった場合は、社会保険加入を完了させ、保険証が手元に届いてからの申請となります。
どんなに急いでいても例外は一切認められないため、許可取得を予定している場合は早めの手続きが必要となります。
因みに、社会保険加入申請から保険証が手元に届くまでには3週間~1ヶ月かかります。
2.施工体制台帳等の記載事項への保険加入状況の追加
特定建設業者が作成する施工体制台帳の記載事項及び下請負人が特定建設業者に通知すべき事項に、健康保険等の加入状況を追加することになりました。
3.経営事項審査における保険未加入企業への減点措置の厳格化
経営事項審査に係る評価の項目及び基準が「健康保険及び厚生年金保険」から「健康保険」と「厚生年金保険」に区分され、「雇用保険」、「健康保険」及び「厚生年金保険」の各項目について、未加入の場合はそれぞれ40点(すべて未加入の場合は120点)の減点とされることになりました。