建設業許可を取得して営業している業者は営業所ごとに帳簿を備付けることが義務づけられています。
必要事項を記載し目的物の引渡しの日から5年間保存しなければなりません。
これは建設業法で定められているため、虚偽の記載や、帳簿の備付、保存を怠ると10万円以下の過料を科せられます。
帳簿の記載事項
1.代表者の氏名、就任年月日
2.注文者と締結した建設工事の請負契約に関する事項
- 請負った建設工事の名称と工事現場の所在地
- 注文者と請負契約を締結した年月日
- 注文者の商号または名称、住所(許可業者の場合は許可番号)
- 請負った建設工事の完成を確認するための検査完了日
- 目的物の引渡し年月日
3.下請と締結した建設工事の下請契約に関する事項
- 下請業者に発注した建設工事の名称と孤児現場の所在地
- 下請業者と下請契約を締結した年月日
- 下請業者の商号又は名称、住所(許可業者の場合は許可番号)
- 下請工事の完成を確認するために行った検査完了日
- 目的物の引渡し年月日
4.自社が特定建設業者であり、注文者となって一般建設業者(資本額が4,000万円以上の法人を除く)と下請契約を締結した際の下請負契約に関する事項
- 支払った下請代金の額、支払い手段と支払い年月日(手形は含まない)
- 下請代金の全部または一部に手形を交付した時は手形の金額、交付年月日、手形の満期
- 下請金額の一部を支払った時は、下請代金の残額
- 遅延利息を支払ったときはその額と遅延利息の支払い年月日
5.発注者と締結した住宅の新築工事の請負契約に関する事項
- 住宅の床面積
- 建設業者の建設瑕疵負担割合
- 発注者に交付している住宅瑕疵担保責任保険法人
添付書類
1.契約書またはその写し
2.自社が特定建設業者であり、一般建設業者(資本金額が4,000万円以上の法人を除く)と下請契約を締結した場合は、その下請業者に支払った工事代金の額、支払い年月日と支払い手段を証明する書類または写し
3.自社が特定建設業者であり、発注者から直接請負った建設工事を施工する際に総額4,000万円(建築一式は6,000万円)以上の下請契約を締結した際は、施工体制台帳のうち次の事項が記載されること。
- 自社が現場に監理技術者を配置した場合その氏名及び資格
- 自社が現場に専門技術者を配置した場合その氏名及び資格と工事内容
- 下請業者の商号又は名称及び許可番号(許可業者の場合)
- 下請業者に請負わせた工事の内容及び工期
- 下請業者が現場に配置した主任技術者の氏名及び資格
- 下請業者が現場に主任技術者以外の専門技術者を配置した場合その氏名及び資格と工事内容
帳簿作成用のひな形は特にありませんので記載事項が全て含まれていれば自由に作成していただいて構いません。
記載項目が多く、工事ごとに作成しなければならないので、必要になった時にまとめて作成するのは大変時間のかかる作業となります。
以前は経審受審の際に必要な書類でしたが、現在は審査の対象外となったことから作成しなくてもいいと勘違いされていることもあるようです。
平成30年4月27日~平成31年3月末時点で熊本県の立ち入り調査の結果が出ていますが、一番多かった指導内容が「備付帳簿の整備指導」となっていました。
許可業者は必ず熊本県からの立ち入り調査がありますので、義務づけられているものはきちんとしておかないと悪質な場合は指導から営業停止等の措置をとられる場合があります。
是正指導の主な内容
- 備付帳簿の整備指導・・・53件
- 事業年度終了届の提出指導・・・19件
- 建設業許可票の掲示指導・・・24件
- 書面による契約書作成指導・・・10件
- 施工体制台帳関係書類不備指導・・・4件
- その他・・・53件